セカンドライフに入り、子供たちもそれぞれ独立して家の中がすっかり静かになりました。夫婦ふたりだけの生活は穏やかで気楽な反面、ふとした瞬間にどこか寂しさを感じることもあります。
そこで最近、私たちの生活に新しい家族を迎え入れるのはどうかという話題が夫婦の間でよく出るようになりました。時間にゆとりができた今だからこそ考えられる、ペットとの暮らしについてお話ししたいと思います。
静かになった家と新しい家族への憧れ
現役時代は朝から晩まで仕事や家事、そして子育てに追われ、自分の時間を持つことすら難しかったため、家の中でペットを飼うなんて到底考えられない状況でした。
しかし、定年を迎えて生活のペースがすっかり落ち着いた今、私たちの時間はたっぷりとあります。
朝起きてから夜眠るまで自分たちの裁量で動けるようになったからこそ、新しく小さな命を迎え入れても、しっかりと愛情を注いでお世話ができるのではないかと考えるようになりました。
犬や猫が家の中にいてくれるだけで、夫婦の会話がさらに増えたり、日々の生活に新しい張り合いが生まれたりするのではないかと期待しています。
リビングのソファで一緒にくつろぐ姿や、日向ぼっこをしている姿を想像するだけで、心がふっと温かくなります。
かつて子供たちが小さかった頃の賑やかさとはまた違う、穏やかで優しい時間が流れる家になるのではないかと、ふたりで思い描いているところです。
保護犬や保護猫を迎え入れるという選択肢
ペットを飼うにあたって、私たちはペットショップで購入するのではなく、保護犬や保護猫を譲り受けようかと考えています。
テレビの特集番組や、実際に保護猫を飼い始めた友人の話を聞いて、さまざまな事情で飼い主を失ったり、過酷な環境から助け出されたりした動物たちがたくさんいる現状を知りました。
せっかく私たちが新しい命を迎え入れるのであれば、そうした居場所を必要としている子に温かい家と安心できる環境を提供したいという思いが夫婦で一致したのです。
先日、夫婦で地域の動物保護団体が主催している譲渡会へ足を運んでみました。
そこには年齢も種類もさまざまな犬や猫たちがいて、ボランティアの方々から一匹一匹の性格やこれまでの生い立ちについて丁寧に説明を受けました。
子犬や子猫から育てるのももちろん魅力的ですが、私たちの年齢や体力を考えると、ある程度性格が形成されていて落ち着きのある成犬や成猫のほうが、お互いにとって穏やかに暮らせるのではないかとも感じています。
シニア世代が命を預かるということの責任
保護犬や保護猫を迎え入れたいという気持ちは日々強くなっていますが、命をひとつ預かる以上、決して軽い気持ちで決断することはできません。
シニア世代である私たちがペットを飼う際に最も真剣に考えなければならないのは、動物たちの寿命と私たち自身の健康状態のバランスです。
犬や猫はこれからの時代、医療の進歩もあって十五年以上生きることも珍しくありません。
十年後、十五年後に私たちが今と同じように元気でお散歩に連れて行ったり、動物病院へ通ったりできるのかどうか、現実的な体力面や経済面の不安はどうしてもつきまといます。
また、万が一私たちが病気で入院してしまったり、お世話ができなくなってしまったりした時に、代わりにペットの面倒を見てくれる引き受け手やサポート体制を事前に確保しておくことも必須です。
子供たちにもこの件について相談し、いざという時には協力してもらえるよう話を始めているところです。
可愛いからという感情だけで突き進むのではなく、最後までその命に責任を持ち、ペットや私たちにとって幸せな最後を迎えられる確証が持てるまで、焦らずに夫婦でじっくりと話し合いを続けていこうと思っています。
