VR技術の進化
VRはバーチャルリアリティーの略で、いろいろな映像を立体的に視聴して楽しむことができるコンテンツです。
テレビの画像よりも臨場感があるので、本当にその場にいるような疑似体験ができます。
そのため、VRを介護の現場、介護施設で活用しようという動きがあります。
「360VR+M」は、介護の現場で活用することを目指して作られたVRです。
VRで旅行ができる
体が不自由になった入居者に、VRでさまざまな体験をさせている介護施設があります。
遠出が困難な人たちも、VRで「その場にいる体験」ができるのです。
ある老人ホームでは、国内、海外のバーチャルツアー、バーチャル花火大会などを行っています。
旅の映像をスクリーンで見せ、職員がツアーガイドを行って旅の気持ちに入り込みます。
観光ポイントに着くと入居者はVRのヘッドセットを装着し、360度見渡せるゴーグルで観光スポットを楽しむことができます。
写真やテレビと違い、立体的で、自分で角度や方向を変えて細かい部分まで見られるので、自分の故郷や母校などを見て懐かしむ人もいます。
登山が好きだった人は、山を登っている感覚を味わえます。
実際には体を動かす必要がないので疲れませんし、行動が制限されている方でも気軽にバーチャル旅行を体験できます。
南極体験、北欧へのオーロラツアー、アフリカのサバンナなど、お金と体力がないと行けない場所へも行くことができます。
介護レクリエーションの一環で世界旅行ができる未来は遠くありません。
VRで認知症予防ができる?リハビリにも?
寝たきりのお年寄りや、持病などのせいでほとんど外出できない方は、毎日決まったルーティンで生活しています。
年配者の多くは旅行どころか、付き添いもなく自由に外出することすらままなりません。
しかし、脳は刺激がないと次第に衰えていきます。
VRで自宅や施設にいながら新たな体験ができると、認知機能向上につなげられるでしょう。
生まれ育った土地や元気だったころに旅行で訪れた場所を見て、記憶を呼び覚まし、元気になる方もいるようです。
リハビリへの活用によって、意欲向上にも効果が期待されています。
VR機器「神楽」は、実際に介護施設に導入されており注目を集めています。
ゴーグルを装着してVR空間に入り、両手のリモコンを使用して目の前の的を触ったり、上から落ちてくる物を受け止めたりすることができます。
もちろん、利用者に合わせてスピードなどを調整できます。
考えながら体を動かすことで、脳の認知機能と歩行などの運動機能を回復させる効果が期待されています。
実際にVRを取り入れたリハビリで歩行ができるようになった方もいるようですので、今後、自宅での介護にもVRが導入される日が来るかもれません。