夫婦関係とへそくり
「夫婦は他人の始まり」という言葉があるように、どんなに長い間一緒に暮らしていてもお互いにわからないところというのはあるものです。
夫が妻に、あるいは妻が夫に内緒にしていることのひとつといえば、「へそくり」があります。
家計の収支は基本的に夫婦単位で考える家庭が多いと思いますが、きっちり家計簿をつけて毎月収支を出している家庭でも、配偶者がへそくりを持っているかどうかを突き止めるのは困難です。
へそくりと言うと、たかが数万円程度のものから数百万円まで金額的には大きな幅があります。
先ごろ行われた、夫婦関係とへそくりについてのアンケートによれば、53.3%が「へそくりがある」と回答しています。
アンケートに回答したのは、60歳から79歳の配偶者のいるシニアで、内訳は男性が200名、女性が237名となっています。
私が驚いたのは、平均のへそくり額です。
男女を合わせての平均のへそくり額は、なんと436万円ということでした。
へそくりの額が1,000万円を超える人も、全体の15.8%もいました。
こうなると、こっそりと隠しておくタンス預金というよりは立派な預貯金という感じです。
へそくりの語源
へそくりは「臍金(へそがね)」とも呼ばれており、語源はいくつかの説があります。
へそはおへそのことではなく、麻糸の紡いだものを巻き付けた糸巻の綜麻(へそ)のことだという説もあります。
日本の各地では、へそくりの他に「ホマチ」や「ホッタ」「マツボリ」あるいは「シンガイ」などと呼ばれていることもあるそうです。
へそくりの額が大きいほど不仲らしい
アンケートの結果を見ていて興味深かったのは、「へそくりの額が大きい夫婦ほど不仲だ」というデータです。
夫と妻と比較すると、へそくりの額には大きな違いがあり、夫は平均330万円、これに対して妻のほうは514万円ものへそくりがあります。
さらに、不仲夫婦の妻は平均して898万円ものへそくりを貯めているという結果が出ています。
平均寿命から言って妻が長生きする可能性が大きいこと、男性よりも計画性が高いことなどが、妻のほうが夫よりもへそくり額が圧倒的に多い原因のようです。
中には2,000万円もへそくりを貯めている女性もいました。
へそくりはいいか悪いかの問題ではなく、将来の不安を考えるとなくてはならない大切な貯金だと考えることもできます。
ところが、へそくりが税務署などにばれてしまうと、思わぬ税金がかかってしまうこともありますので注意しなければなりません。
例えば、夫に内緒でコツコツとへそくりを貯め、そのお金で何か商売などを始めようとした場合、贈与税がかかってしまうのです。
夫の収入の中からお金をコツコツと貯めていた場合は、贈与税を払わなければなりません。